オリジナル小説 第一章 学校

「はい、皆席付け〜」
いつもの様に、この人のいかにもかったるそうな声と態度でHRは始まる。
教員だと言うのに、全くのやる気さ0。普通、教員として有り得ないのだろう、いや、有り得てはならない。しかし、こともあろうに、現に此処に川合 進一(かわい しんいち)と言う命名でそれが存在しているのだ。と、そうこうと何でもない事を考えているうちにHRが終わった。
「城ケ崎〜」
そこで後から声と同時にスタイルは抜群、頭もよし、スポーツ万能、そしてイケメン。此処まで完璧に出来ている人間はこいつ、神道 聖(しんどう しょう)くらいだろうな。その彼が来た。

「おーい、城ケ崎〜聞いてる〜?」
「お、おぅ莘?わりぃ、ちょっと考え事してた?」
「考え事ー?」
「あぁ」
名前からして紳士って感じもするしな(嘲笑)
別に馬鹿にしている訳ではなく、ただ何となく有り得ないなと思った。
無論、俺、城ケ崎 臨海(じょうがさき りんか)とは全く正反対の人物である。まぁ、言ってもごく一般的な人間だな、強いて言えば、名前が女々しいからか、転校すると名前だけ聞いて女と勘違いされ、実際俺が姿を見せると、ガッカリされる傾向が多々ある。正直言って迷惑だ。俺が何をしたと言うのだ、文句が有るなら、俺の親に言って欲しいものだ。と、毎回思ったりしているのだ…。
「なぁ、ホントに大丈夫?さっきからボートしてるよ?」
「え?あぁ、大丈夫莘?」
そして、こいつは気が利いて常に優しい、だから女子には超モテてる訳だ(笑)
当然普段余り男子とすら話さない俺にはそんなのは無縁だがな(笑)
まぁ、毎日話してるとすれば神道と哀河…位だな、うん。
「ホントに大丈夫?」
そう言って、神道は俺の顔を覗き込む様に見てきた。やっぱ男子から見てもイケメンでカッコイイ。
「あっ、あぁ、ホント大丈夫だから、あははは莘」
「まぁ、なら良いけど?というか、今日も君ん家行くからね」
「え?あぁ、おぉ…」
「何?、その反応、今日は行ったらまずいことでもあるの?」
「いや、あの…」
俺は少しためらった、別に個人的には問題がないのだが、今日は何故かは知らないが、川合先生が親と話に家に来るとか何とか…
まぁ、俺の部屋は二階だし、親達は一階のリビングで話すのだろうけど…。そうこう考えてる間に神道ともう一人増えていた。
「じゃぁ、城ケ崎の家に学校が終わり次第そのまま直行で決まりな」
しかも話が勝手に進められてるしまぁ、いつもの事だからいいんだけどな、いや、よくはないか全く、哀河のやつ、相変わらず強引と言うか、何と言うか…哀河 光(あいかわ こう)まぁ、こいに関してはスポーツで右に出るものはまぁ、この学校、いや、そうそういないだろう、神道ですら勝てないのだから、別に頭も悪い訳でもなく、他もまぁ、良い方だし。つか、マジで来んのな、こいつら?
「城ケ崎、お前もそれで良いよな?苆」
「あ、あぁ莘」
どうせこいつは駄目だと言っても来るのだろうからな
「じゃぁ、決まりだな苆」
まぁ、それで話は一旦終わり、二人はそれぞれの席に戻り、その後俺達は授業を受けて行った。そして時間は過ぎ放課後になった。
「さぁ、城ケ崎ん家へ行くぞ〜苆」
「うんっ莘」
「あぁ芾」
こいつらマジで元気だな、そんな事を思いつつも三人で学校を出て家までの道を歩いた。